競馬辞典 競馬用語辞典・は


■配合【はいごう】

繁殖牝馬に種牡馬を種付けする際に考える血統的な考え方のこと。また、競走馬の血統的な理論のこと。

生産者は繁殖牝馬の血統を考えて配合を考え、種牡馬を選ぶ。

■配当【はいとう】

的中馬券に対して払い戻される金額または倍率のこと。現在発売されている最小単位の100円に対しての払い戻し額が配当金として示される。

例えば3500円の配当がついた場合、それは100円買っていた場合3500円の払い戻しを受けられるという意味であり、倍率でいうと35倍ということになる。的中馬券が100円で10000円以上の払い戻しを受けられる、つまり100倍以上の配当のことを万馬券という。

■ハイペース

レースでの展開をさす言葉。レースの流れがはやいこと。先団を走っている競走馬は体力を多く使うことになるので最後にバテる可能性が高く、差し馬や追い込み馬が有利な展開になる。コースや馬場状態などの要因があり一概には言えないが、競走馬は2000mをだいたい2分前後で走るので、前半の1000mが60秒を切るとやや速めのペースとなる。

■馬運車【ばうんしゃ】

競走馬を輸送するための車。競走馬は美浦や栗東のトレセンから馬運車で各競馬場に運ばれる。また、レース中に何らかのアクシデントにあった馬を搬送するのにも使われる。

■バカつく

レース中に興奮した競走馬が騎手の指示に従わなくなること。

その結果オーバーペースになったり、斜行や逸走につながることもある。

■歯替わり【はがわり】

若駒にみられる症状で、歯が乳歯から永久歯に生え替わることを指す。痛みを伴うので食欲が落ちることもあり体調を崩すこともある。

一般的には2歳の春頃に歯替わりをする馬が多い。

■拍車【はくしゃ】

馬具のひとつ。乗馬の際、靴の踵に取り付ける鋭器でこれを使って馬の腹を蹴り、前進させたり気合を入れたりするための道具。「物事に拍車をかける」という言葉はここからきている。

■馬券【ばけん】

勝馬投票券の俗称。

■跛行【はこう】

競走馬が脚を引きずったり、歩様が正常ではない状態を表す言葉。競走馬が出す故障のサインのようなもので、捻挫や骨折、屈腱炎などといった故障をしているときにこういった症状をみせる。

前肢の跛行を肩跛行、後肢の跛行を寛跛行という。

■函館競馬場【はこだてけいばじょう】

北海道の函館市にある中央競馬の競馬場。毎年多くの競走馬が訪れ、滞在することから、調教用のウッドチップコースが設けられている。北海道には他に札幌競馬場があり、どちらとも暑い夏場に開催され、北海道シリーズとも呼ばれる。

■パシファイアー[Pacifier]

目の部分に網目状のネットを張ったブリンカー(斜眼革)の一種。ホライゾネットともいう。

レースで使用される例はあまりなく、主にパドックで気持ちを落ち着ける時などに使われる。

■馬身【ばしん】

レースでの着差を表す単位のひとつで、競走馬1頭分の差をさす。1馬身でおよそ0.2秒の差があるといわれている。

1馬身の半分の差を半馬身差という。11馬身以上の着差は一律して大差と扱う。

■馬体検査【ばたいけんさ】
  1. 装鞍所に集合時に馬体に異常がないか確認するための検査のこと。
  2. レース発走直前に放馬や外傷などアクシデントがあった場合に行われる臨時の検査のこと。
  3. 入厩前の2歳馬に課せられる馬体検査のこと。産地馬体検査の項を参照。

1、2で馬体に異常が見られた場合、競走除外となる。

■馬体重【ばたいじゅう】

競走馬の体重のこと。レース当日、出走馬の馬体重は前走との体重差を併記して発走の約1時間前に発表される。馬体重はオッズプリンターやモニター、パドック前の電光掲示板で知ることが出来る。

前走時との体重差が20キロ以上あった場合はその競走馬になんらかの変化があったと見ることができる。

■肌馬【はだうま】

繁殖牝馬のこと。

用例ノーザンテーストの肌にサンデーサイレンスを付ける。

■バタバタ

レース中や調教中に、競走馬のスタミナが切れて走るスピードが落ちること。

用例展開が速くて終いがバタバタになった。

用例まだ体が重くて終いがバタバタだ。

■八大競走【はちだいきょうそう】

中央競馬会のレースの中で歴史があり、格も高いとされている8つの競走をさす言葉。

八大競走
レース名出走制限コース距離
桜花賞3歳牝馬阪神1600m
優駿牝馬(オークス)3歳牝馬東京2400m
皐月賞3歳中山2000m
東京優駿(日本ダービー)3歳東京2400m
菊花賞3歳京都3000m
天皇賞(春)4歳以上京都3200m
天皇賞(秋)3歳以上東京2000m
有馬記念3歳以上中山2500m

の8つのGIレースをさす。最近ではこれにジャパンカップを入れて九大競走と呼ぶこともある。

■発汗【はっかん】

競走馬が汗をかくこと。レース前やパドックであまりにも発汗がひどいのは割引材料になる。

パドックなどで馬の股間が粉を吹いたように白くなっている光景が見られるが、馬の汗にはラセリンという石鹸に似た成分が含まれており、それによって泡立った汗が白く見える。

用例あの馬は発汗がきついので消しだな。

■バックストレッチ[Backstretch]

ホームストレッチは逆に、スタンドから見て馬場と内場場をはさんだ向こうに伸びているストレートのこと。向こう正面(むこうじょうめん)ともいう。

■発走【はっそう】

レースがスタートすること。発走後の勝馬投票券の返還は特別な場合を除いてない。なお、馬券の締め切りは発走の2分前となっている。

■発走除外【はっそうじょがい】

返し馬を終えた競走馬が放馬によって著しく披露したり、アクシデントで外傷を負った時などにとられる処置。そのレースに出走することはできず、その馬がらみの馬券は返還される。

■パット(PAT)

電話やパソコンといった端末機を利用して競馬場やWINSに行かなくても馬券を購入できる電話投票システムのこと。パットで投票を行うには手続きを踏まなければならない。

2008年現在での中央競馬のPATは、事前に入会手続きをすませたうえで電話投票専用口座を開設して投票を行うA-PAT方式と、インターネットバンキングを利用し、即日会員として投票できる即PAT方式の二つがある。

■発馬機【はつばき】

平等なスタートをするために作られた機械のこと。スターティングゲート。競走馬が中にはいり、スターターがボタンを押すとゲートが開き、レースが発走する仕組みになっている。

■パドック[Paddock]

レースの前に出走する競走馬が集まり、周回する場所。下見所ともいう。すべての競馬場にあり、観客はここで競走馬の状態などをチェックすることができる。

競走馬が興奮するおそれがあるので、大声をあげたりフラッシュをたいて撮影してはいけません。

■パトロールビデオ[Patrol Film]

公正な競馬を保つために競馬場に設置されているパトロールタワーから撮影された映像のこと。レース中に審議対象にあたる行為があった場合にこの映像を見て審議委員が審議をする。

最近では降着や失格があった場合にかぎり、レース後にパトロールビデオが放送される。また、公式サイトの競走成績欄でもパトロールビデオを確認することができる。

■ハナ
  1. レースにおける着差のひとつ。着差の中でもっとも小さく、競走馬の鼻ぐらいの差のこと。タイムには反映されない数センチの差のこと。
  2. レースで先頭を走ること。逃げ馬などが先頭にたつことを「ハナをきる」「ハナをたたく」という。語源は“端”だといわれている。
■鼻ねじ【はなねじ】

ゲート入りが極端に悪い競走馬にたいして用いる器具のこと。鼻にある急所を押さえて反抗できなくする。また、精神を落ち着かせる働きもあるという。

■馬主【ばぬし/うまぬし】

競走馬の持ち主、オーナのこと。

馬主は競走馬の購入代金や維持費など多くの資金を必要とするため、JRAによって行われる資金面や人間面においての厳正な審査を通過しなければならない。競走馬がレースで賞金を得た場合、80%が馬主のものとなる。

■馬場状態【ばばじょうたい】

競馬場のコースの状態のこと。水分の含有量によって、稍重(ややおも)不良の4段階にわけられ、電光掲示板やモニターなどで情報が流される。

馬場状態はレースや予想において重要な要素であり、変更があった場合は直ちに発表される。

開催の終わりにさしかかると天候とは関係なく芝コースが荒れていて、発表こそないが馬場状態が悪くなっているときがあるで注意。

■馬銜/ハミ【はみ】

馬具のひとつ。競走馬の口に付けて手綱に取り付ける。騎手は手綱を使ってハミを微妙に操作し、競走馬に自分の意志を伝える。

現在は様々な種類のハミがあり、競走馬の特徴や騎手との相性などによって使い分けられる。

■馬名【ばめい】

競走馬に付けられている名前のこと。馬名登録にはおおまかに以下の制限がある。

  1. 字数に関する制限
    1. 1文字の名前
    2. 10文字以上の名前
  2. 保護馬名に関する制限
    1. 有名な馬の名称若しくは馬名と同じである馬名
    2. 登録抹消した翌年の1月1日から4年経過していない競走馬と同じ馬名
    3. 馬名変更した翌年の1月1日から1年経過していない変更前と同じ馬名
    4. 父もしくは母と同じ馬名
  3. その他の制限
    1. 法人や商品名など、宣伝になるような馬名
    2. 公序良俗に反する馬名

日本中央競馬会競馬施行規程 第22条より(2008-11-12)

ニホンピロウイナーやミスターシービーは2代目であることで有名。

■払い戻し【はらいもどし】

的中した馬券を現金にかえること。全国の競馬場、WINSなどの払い戻し窓口や自動払い戻し機で払い戻しが行われる。

払い戻しの有効期限はレースから60日と決まっているので注意が必要。

■腹帯【はらおび】

競走馬の腹にまわして鞍がずれるのを防ぐ器具のこと。安全の為に腹帯の上からもう1本帯を巻くが、これを上腹という。

■パリ・ミューチュエル方式

現在JRAが採用しているオッズ算出法。主催者が馬券を発売し、一定の控除率を差し引いた残金でオッズを算出する方式のこと。フランスで考案された。

他の算出方法としてイギリスなどで行われているブックメーカー方式がある。

■馬齢戦【ばれいせん】

レースの種類のひとつ。競走馬の負担重量が賞金でなく年齢や性別によって決められているレースのこと。

以下は2008年現在の馬齢重量。

年齢2歳3歳
1〜9月10〜12月1〜9月10〜12月
負担重量牡・騸54kg55kg56kg57kg
54kg54kg54kg55kg
■バレット[Valet]

騎手の鞍や帽子などの用意をしたり馬具を整えたりする補佐役のこと。英語やフランス語で「雇い人」「従者」という意味がある。

基本的には複数の騎手に一人のバレットがつく。騎手が個人で契約するが、義務付けられているわけではない。日本では97年に的場均元騎手が長男を採用したのが始まり。

■ハロン[Furlong]

距離の単位で、正式にはfurlongと表記する。本来は1マイル(1609.3m)の8分の1を表す単位なのだが、競馬では200mをさす。コースにはハロン棒と呼ばれる数字が書いてある棒が立っていて、レースが残り何mかを知ることが出来る。

1200mで争われるスプリント戦を「電撃の6ハロン戦」などと呼んだりする。調教のタイムもハロンごとのタイムで記録される。コースや距離によって異なるが、競走馬は1ハロンを平均して12秒前後で走ることができる。

ハロン棒はメートル表示なので注意。

■半兄弟【はんきょうだい】

父親が違う兄弟のこと。

競走馬でいう兄弟とは"同一の母馬から生まれた馬"を指す。母親も父親も同じ兄弟は全兄弟と呼ぶ。

競走馬の兄弟に関する表記法
父が同じ父が違う
牡馬全兄半兄
全弟半弟
牝馬全姉半姉
全妹半妹
■パンク
競走馬が故障すること。
■バンケット[Banquette]

主にジャンプレース(障害競走)で使われるアップダウンの激しい馬場のこと。中山競馬場の障害コースにあるバンケットや京都競馬場の第9号障害(通称"ビッグスワン")が有名。ちなみに、バンケット(banquette)はフランス語で「(馬)障害物としての推土、バンク」という意味。他には列車、電車などのベンチ、ゴルフのバンカーといった意味がある。

■繁殖牝馬【はんしょくひんば】

競走生活を終えて、子供を産むために牧場で生活をする牝馬のこと。肌馬ともいう。

牡馬が種牡馬になるにはレースである程度の活躍をしなければならないが、繁殖牝馬は競走成績と血統が重要視されるため、活躍が見込めなくなった場合は早々に競走生活を終えることが多い。

牝馬が競走生活を終えて繁殖入りすることを「繁殖にあがる」という。

■阪神競馬場【はんしんけいばじょう】

兵庫県宝塚市にある中央競馬の競馬場。最寄りの駅、地名から仁川(にがわ)と呼ばれている。

第1コーナーがきつく、第3コーナーと第4コーナが連結した緩いカーブを描いているのが特徴。ホームストレッチには坂がある。

桜花賞や宝塚記念、阪神ジュベナイルフィリーズといったビッグレースの行われる競馬場。

■ハンデキャップ
  1. ハンデ戦などで課せられる重量のこと。当然強いと判断される馬には重い重量が課せられる。ハンデ戦で最も重い斤量を課せられた馬をトップハンデという。
  2. 競走馬の強さを表す指標のこと。フリーハンデとも呼ばれる。これによって各競走馬の強さを相対的に判断できる。
■バンテージ[Bandage]

競走馬の脚を保護する為につけられるサポーターのこと。バンジツ肢巻(しまき)ともいう。

■ハンデ戦【はんでせん】

競走馬の馬齢や獲得賞金とは関係なく、近走の成績や競走馬の能力などを考慮に入れてハンデキャッパーとよばれる人々がその競走馬の負担重量を決めるレースのこと。

当然実力馬は重い負担重量を与えられる。その負担重量が妥当であると力が拮抗して白熱したレースとなる。レース的にも馬券的にも面白いレースになる傾向が強い。

ハンデ戦で最も重い負担重量を課せられる競走馬をトップハンデという。

■万能【ばんのう】

競走馬の脚質のひとつ。レースでの位置取りにこだわらず、どこからでも実力を発揮できる馬のこと。

騎手の判断でどの位置からでも競馬をする事のできる馬。

■坂路【はんろ】

トレセンにある、傾斜の付けられた調教施設のこと。ウッドチップが敷き詰められていて、競走馬の脚に負担がかからない仕組みになっている。

一般的に、坂路調教を施すことにより競走馬は瞬発力や持久力を飛躍的にアップさせることができる。美浦よりも栗東の坂路の方が勾配がきつくて長い。

昔は関東馬の方が強かったが、昭和62年に栗東に坂路コースが出来て以来、関西馬の活躍が目立つようになったと言われている。